マンガ版
1968年発行の「講談社テレビコミックス/ウルトラセブン」(全6集)の第4集に収録されている第3話「スペル星人の巻」(作画・スタジオZ)の事である。
全40Pであり、表紙を含めた最初の5ページが2色カラーで以降は青一色となる。
内容は基本的に同じであるが、変更箇所が多くある。まず、テーマが全く違う事。ストーリーの基本線は同じなのだが、単純な侵略物になってしまっている。
読者層を考えれば、仕方ないのだが……。また、スペル星人のアジトも百窓ではなく古びた教会になっている。これは、脚本の”回教教会の如きエキゾチックな”という部分からで
あろうが、回教(イスラム教)ではなくキリスト教のスタンダードな教会が描かれている。回教教会の〜″の前にある”一軒の洋館がみえてくる”という言葉も影響しているのかも知れない。
他には
・倒れた女性が死亡(本編・シナリオでは意識不明)
・アンヌが早苗に早い段階で協力を求める。
・ダン、フルハシが佐竹を尾行し、アジトでちょっとした戦闘がある(脚本にはあるが、実際の映像にはない)。
・スペル星人達が子供たちを集めない(伸一が腕時計をつけない為)。
・氷川貯水池へ伸一がさらわれない(上記の理由から)
・氷川貯水池へは早苗が佐竹と二人で行き、佐竹に詰問する。
・セブンがアイスラッガーで切るのはスペル星人ではなく、スペル星人戻ったスペル円盤
・12話本編のような「宇宙人と地球人の信頼」を感じさせるラストシーンではない
等々。印象として、「脚本を子供向けにアレンジした」ものといえる。
この漫画版12話であるが、99年に発行された「ウルトラ時代」という本でテレビコミックスの表紙と漫画本編の表紙を”改竄”して掲載している。
具体的には
・巻表紙で、”第3話・スペル星人の巻”が削除されている
・漫画本編の表紙で「第三話スペル星人の巻」の”スペル星人の巻”と目からビームを出しているスペル星人が消されている
この本の著者は、後にネットの掲示板で少し事情を明かしていた。それによると12話欠番の経緯を載せたかったが、無理だったそうである。
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