タケダCM版
本放送当時のスポンサーであった武田薬品提供CMが収録されていることから名付けられ、「タケダ版」と呼ばれる事も多い。「本放送を録画したもの」と言われたこともあったが、
実際は通常版にタケダのCMを後から挿入した亜流。
それではタケダCM版の流れから見てみよう。
カウントダウン→武田提供CM→サブタイトル〜OP→Aパート→Bパート(一瞬)→ベンザCM・アリナミンACM→Bパート(続き)→武田提供CM

(左から武田薬品提供CM、新ベンザA、アリナミンA。)
上記のような流れであるが、先ずメインタイトルが無いのが不可解である。そして、本編とCMで画質がかなり違う。CMは比較的安定しているものの、本編の画質は非常に悪い。
また各CMも終わりの止めが長く、記号のようなものが一瞬映る。到底、放送したものを録画したとは思えず、まるでフィルム素材をそのまま収録した感じである。
更に本放送の録画で無い根拠として、通常版同様にAパート終盤が存在しない事と中CM明けのシーンが挙げられる。
本放送であればAパート終盤が存在しているはずで、それが無いと言う事は本放送を録画したものではない、となる。それに加えて本放送録画で予告が無いというのも変だ。
とすれば再放送が考えられるが、武田薬品のスポンサー枠以外の再放送でもタケダCMが使われたり、一社提供とは考えにくい。
もう一つの根拠であるBパート開始シーンは坂を下る新聞配達の少年であるが、タケダCM版では
少年が右から走ってくる→CM→少年が中央に
とBパート開始直後にCM入りし、明けはその続きという不自然なCMの入れ方なのである。

(左がCM後の記号でCMの止めも長い。中央がCM入り、右がCM明け。画像が悪く見辛いが、CM入りと明けが続いている)
種明かしをすると、このタケダCM群は「円谷ジャンクフィルム集」とも呼ばれるビデオから持ってきたものである。ウルトラシリーズをはじめとする円谷
作品の予告が2・3本づつ収録されているのだが、何故かタケダCM群も入っている。この「円谷ジャンクフィルム集」から使われたのは疑い無く、
恐らくは「円谷ジャンクフィルム集」を手に入れた誰かが本放送当時の雰囲気を出そうと製作したのだろう。
このように通常版の亜流ではあるが、「タケダCM」という類の見ない特徴がある点と比較的早くから知られていたバージョンとして紹介した。
タケダCM版と同じような通常版の亜流として『再放送版』が挙げられる。私が確認したものでは、メインタイトル部に時刻が入っている。これはアバンタイトル部のみ
後年早朝再放送されたものに差し替えたもの。同様にLDなどのメインタイトルに差し替えた「メインタイトルだけ妙に綺麗な」12話も存在する。「本(再)放送を録画した……」
という説はこれら亜流から派生したものと推測する。
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