完全ノーカット版
A―1のパターン。シネスコサイズで画面上部の黒味部分中央にタイムカウンターがあり、現在出回っている物の主力である。
抗議によってカットされた人喰い及び軟体人間シーンを唯一含んでいる事から「完全ノーカット版」と呼称される。
この完全版の作成経緯であるが、CDドラマが切欠だとの事。某事情通氏の解説によれば、「以前はカットされたものは存在したが(86年仕様を参照)、CDドラマ制作の為に参考資料として新たにテレシネされ完全版が出来た」との事である。そして、これが流出したと言う話だ。
検証に使用したものは冒頭の長崎で一度画面が駄目になり、少しして回復する。画面が乱れているテープをデジタルテープにダビングした時になるような感じだ。
次に57分過ぎの所で一旦画面全体が暗くなる。画面が再開するとタイムカウンターが0に戻っているが、某事情通氏によると、これはテープのかけかえであり『LDのA面B面のようなもの』だそうだ。
更に検証したところ、この黒味も若干カットされているようで、所々に一時停止した後が見受けられる。


(上段左がAパート終了、下段右がBパート開始。カウンターに注目されたい。所々で時間が飛んでいる。11:05と12:07で約1秒、12:08と12:18で10カウント飛んでいる。その証拠に12:08と12:18のカウンター部変色部分が続いている。テレビの再生ではもっとはっきり判る。また、中途に画面が残っているところと12:07、12:08は実時間に比べて長い。一時停止しているからだろう)
尚、テレビ版・海外版共になく完全ノーカット版だけ収録されているシーンは新聞記事を上から下にパンするカットと街頭でのオキシダント表示の2カット。

(新聞の縦パンは真下ではなく、若干右下に移動しているのが判る。海外版での街頭表示盤カットは日本語表記だからか?)
一つ気になるのはラストである。「完」の文字が出た後にフェードアウトして終わるのだが、いきなり白画面になって終了する。
この部分を良く聞いてみると、画面と一緒にフェードアウトしていく音楽もブツ切りになっている。テレビ版・裏テレシネ版では音楽も少し長く、自然な消え方をしている事から完全版の終わり方は不自然だ。しかし、マスターがこうであるとは考えられない。
可能性として「映画が終わったから」という理由で若干早めにマスターからのダビングを終了したとも考えられるが、時間にして2・3秒あるかないかである。余韻を残そうとするのが普通ではないだろうか?ひょっとすると、先の完全版作成経緯からオリジナルテープには資料用″とか注意・警告が最後に入っており、
それをカットする為に早めのダビング切り上げをしたという可能性もある。いずれにせよ、オリジナルに近いものが無ければこれ以上の検証は仕様が無いのだが……。
残念ながら流出経緯に関しては、某事情通氏も判らないとの事であった。が、独自の調査によればCDドラマ購入者に販売会社からビデオ販売の案内が来た、と複数の証言を得た。ただ、会社として行ったのか、会社の誰かが個人として行ったのかは不明である。また、かなりの高額であったとも。このビデオを入手した人間がネットオークション・トイ関連イベントを通じて販売し、拡散していったとみて間違い無いだろう。セブン12話ドラキュラ版とほぼ同じパターンである。
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